生後8カ月くらいになると赤ちゃんにも昼と夜のリズムが出来てきます。
夜はしっかり寝てくれるようになっている時期ですが、
おしゃぶりを使わないと寝てくれないなんて事はありませんか?
おしゃぶりによって赤ちゃんは安心感を得る事が出来る為、
大好きなママやパパの姿が見えなくなったり声が聞こえなくなってしまう睡眠に関して、
赤ちゃんは不安になってしまう事が原因なのかもしれませんね。
おしゃぶりを使うと寝てくれるのは良いとして、
このまま使い続けて大丈夫なのかな?
って疑問や心配になるママさんやパパさんも多いと思います。
おしゃぶりを使う事で大半のママさんやパパさんが一番心配になるのが
おしゃぶりを使うと外すのが大変そう
という事でしょう。
今回は寝かしつけでおしゃぶりを使う際に気を付ける事をご紹介しようと思います!
正しい使い方と間違った使い方が分かれば、
●おしゃぶりが外せなくなる事への心配がなくなる
●使うことへの抵抗を感じずに上手におしゃぶりを活用できるようになる
●おしゃぶりを使うことで母も子も快適に過ごせる
こんなメリットもありますので、是非参考になさってください!
おしゃぶりに関する疑問
赤ちゃんはなぜおしゃぶりが好きなのか?
おしゃぶりが好きなわけではなく本能的な行為です。
胎児も母体内で指しゃぶりをしています。
赤ちゃんには「吸啜反射」という本能があって、何かを吸っていると精神的に落ち着ける事を知っています。
なので、おしゃぶりは赤ちゃんにとっての精神安定剤のようなものとなっています。
赤ちゃん本人の好みでおしゃぶりは受け付けない
赤ちゃんがみんなおしゃぶり必要というわけではありません
本能的な行為と上で紹介した事と少し矛盾する内容ではありますが、
赤ちゃんの好みで使ってみなければ分からないのがおしゃぶりです。
おしゃぶりはおっぱいよりも固いので嫌がる子もいます。
また、完全ミルクで育っている赤ちゃんでもおしゃぶりを嫌がる子もいます。
お気に入りのおしゃぶりや嫌いなおしゃぶりもあります。
これから使ってみようかな?と悩まれているのであれば、ご自分の赤ちゃんの反応をしっかり観察しながら使うようにしましょう!
おしゃぶりは何歳頃に外せばいいのか?
おしゃぶりは時期がくれば自然に取れる
赤ちゃんは成長すると羞恥心が芽生え自分からいらないと言い出します。
無理に外そうとすると精神安定剤を取り上げされてしまうようなものなので、寝かしつけのみならず日中もグズリが増えてしまったりでママさんやパパさんの苦労が増えてしまう可能性が高いです。
※歯並びや強い依存を防止するには大体1歳~1歳6カ月頃には卒業したい所です。
歯並び・かみ合わせへの影響は?
1歳前後までなら歯並び・かみ合わせへの悪影響は殆どありません
一般社団法人 日本小児科歯科学会の報告書によると、1年6カ月~2年くらいでかみ合わせへの影響が出てくるようです。
でも、おしゃぶりをやめると改善しやすいと報告されています。
この報告書では少なくとも2歳までには止めて欲しいという結論になっていました。
1.おしゃぶり、指しゃぶりが咬合(噛み合わせ)に及ぼす影響
おしゃぶりや指しゃぶりと乳歯の噛み合わせとの関係を調べるため、米津は1歳6か月児、2歳児、3歳児、5歳児歯科健康診査に来院した1,120名について調査した。その結果、2歳児では指しゃぶり(吸指群)で出っ歯(上顎前突)が、おしゃぶり群で開咬が高頻度にみられ、5歳児ではこの傾向がさらに増大したと報告している。今村らは4-5歳の小児432名についておしゃぶり、指しゃぶりと乳前歯部開咬について調査し、おしゃぶり群は指しゃぶり群より軽度だが、年齢が高くなるまで長期に使用すると乳前歯部が開咬となりやすいという結果を得ている。いずれの調査もおしゃぶりを長期に使用すると噛み合わせに悪い影響を与えることを示している。
2.おしゃぶりや指しゃぶりは何歳ころまで行われているか
前述の米津の調査の中の「年齢別にみた各種吸啜行動の発現率」によると、おしゃぶりの使用は3歳になると急激に減少する。これに対し指しゃぶりは4歳頃まで行われている。
3.おしゃぶりの使用年齢と噛み合わせ
おしゃぶりを使用している子どもは、使用していない小児と比較して上顎前突、開咬および乳臼歯交叉咬合の発現率が極めて高い。この傾向は1歳6か月、2歳でも見られるが、止めると噛み合わせの異常は改善しやすい。しかし、乳臼歯が生え揃う2歳半、さらに3歳過ぎまで使用していると噛み合わせの異常が残ってしまう。小児歯科の立場からすると2歳までに止めて欲しいが、現状では3歳過ぎまで使い続けている子どももいる。
引用元:一般社団法人 日本小児歯科学会
間違った使い方
便利だからとおしゃぶりに頼りすぎる
泣いたからすぐおしゃぶりは駄目!
簡単に泣き止んでくれたり入眠がスムーズになるからと頼りすぎると、習慣性となりやすいです。
おしゃぶりに頼りすぎてしまうと、なぜ泣いているのかを考えて言葉がけしたりあやしたりすることが減りがちになります。
ご両親からの言葉がけやあやしを含むコミュニケーションが単調化(おしゃぶり)してしまうと、赤ちゃんの発達に悪影響が出てしまう可能性もありますから、使う場面を考えて使うように気を付けましょう!
常時使用する
ずっとおしゃぶりを咥えさせたままにするのは駄目!
赤ちゃんは口に物を持って行くことで目と手の協調運動を学習しています。
協調運動は、例えば『ボールを投げる』動作には手だけではなく足や腰など、体の色々な部分を同時に動かす事で成立する動作ですよね?
まだ体を思うように動かせない赤ちゃんでも、『口に物を持っていく』動作で目と手を同時に動かす練習をしています。
おしゃぶりが口にある事でその学習機会を奪うことになってしまいますから、おしゃぶりを咥えさえたままというのは良くありません。
乳臼歯が生え揃う2歳半から3歳以降も使用し続ける
2歳過ぎまで使い続けるのは駄目!
指しゃぶりほどではないが長期に使用すると乳歯のかみ合わせに悪影響を与える懸念があります。
上でも紹介していますが、2歳までであればかみ合わせへの影響も改善し易いですが、それ以降(3歳以降)まで使い続けてしまうと改善せずに影響が残ってしまいます。
かみ合わせが悪い事で
●虫歯になり易い
●歯周病になり易い
●歯の治療やし辛い
など良い事は全くありませんので、お子さんの将来をしっかり考えて利用してくださいね!
4歳以降になってもおしゃぶりが取れない
おしゃぶりが習慣化している事に加え、おしゃぶりがないと心が落ち着かない状況が日常化している可能性があります。
もしかしたら、お子さんには情緒的な面に問題があるかもしれません!
4歳を過ぎてもおしゃぶりを手放せないようだったら、一度掛り付けの小児科医に相談してみましょう。
【まとめ】
おしゃぶりは歯並びやかみ合わせに悪影響を及ぼす心配があると使うのをためらう人も多いですが、使用する年齢や使用時間など適切に使用すれば神経質になる必要はありません。
おしゃぶりは子どもの精神を安定させる効果や育児ストレスを減らし親も子も快適に過ごすことができる便利なアイテム!
ただし、簡単だからと常用化してしまうと悪影響が無いとは言い切れません。
お子さんの成長に合わせて上手に活用したいですね!