「不妊」の基準から不妊治療を考えるタイミングとは?で触れましたが、「不妊」は何か特定の病気などではなく、「望んでも妊娠出来ない状態」を表してるにすぎません。
ただし、「医療の助けなしには妊娠することの出来ない状態」と単に「妊娠しにくい状態」に大別出来ます。
「不妊」は年々増加の傾向にあり、現在の日本では夫婦10組に1組、約100万組のカップルが不妊に悩んでいるといわれている中、「医療の助けなしには妊娠することの出来ない状態」のカップルは稀で、妊娠するチャンスが他の人より少ない状態、妊娠できる確率が毎月25%もなく5%ほどしかないというような「妊娠しにくい状態」のカップルが大半です。
不妊の約半分は男性側に原因がある!
妊娠しにくくしている原因はカップルによってまちまち。当然のことながら、原因によって治療法も異なります。
もちろん、不妊の原因は女性だけでなく男性にもあり、WHO(政界保険機関)の調査によればカップルのおよそ半分近くは男性にも原因があります。
男女比グラフ
- 女性だけに原因があるのは41%
- 男性だけに原因があるのは24%
- 男女共に原因があるとされるのは24%
- 不明分が11%
上の割合から女性側が7割、男性側が5割という事になります。
女性は年齢の影響を男性よりも受けやすい結果、不妊原因の7割を占めてしまう事に繋がってしまうようです。
男性は年齢による影響を女性よりは受けないものの、精子の量や質が昔よりも低下してるとWHOから発表がありましたし、男性不妊に対する意識向上が必要な時代と言えるのではないでしょうか。
不妊の主な原因
次に、「不妊」を引き起こす主な原因について調べてみました。
①排卵に問題がある
②卵管に問題がある
③精子・精液に問題がある
④子宮内膜症
⑤着床に問題がある
⑥子宮頸管に問題がある
⑦精子に対する抗体が出来る
⑧夫婦生活がうまくできない
⑨原因不明不妊
ただ、yahoo知恵袋で実際に不妊で悩まれ治療されている方々(特に女性)の内容を拝見してみると、治療中は原因不明な事が多く、治療を進めていく中で妊娠に成功した結果、原因が判明するといった結果論であることも多いようです。
不妊を引き起こす原因は身体面に限らず精神面にまで範囲が広がり多岐に渡ることから、段階的に治療を進めていく事が必要になる場合が起こります。
その結果として、複数の治療を長期間に渡って実施する事になる為、高額な治療費へと繋がるとも考えられます。
不妊の増加の背景には生活環境の変化や社会的要因が?
WHOは、この半世紀ほどの間に男性が1回に射精する精子の数が少しずつ減少し、生殖能力が低下していると発表しています。
現代のライフスタイルはたいへん便利なものになった一方で、運動量が減り人間の体力や持久力がどんどん低下していくということに繋がっています。
豊かになった食生活の裏側では、栄養過多による肥満とそれにともなう生活習慣病が問題になっていますし、食品添加物や農薬などの影響も心配されます。
急激で加速度的に変化する現代の生活環境が、からだの虚弱化や心身の疾病を増大させ、不妊を助長する一因になっていることは疑いようもありません。
まとめ
「不妊」は特定の病気を指すものではありません。しかし、その為に「不妊」の原因は治療の要不要を含めて多岐に渡ります。
心配し過ぎなのはあまり良くありませんが、全く気にしないのはもっと良くありません。
「心配で気になるけどクリニックで診察するのはちょっと。。。」
「治療をしたいというよりは相談出来る相手欲しい」
「不妊も心配だけど出産自体が心配!」
など、女性特有の悩みを支援する目的の女性事業支援センターが、厚生労働省主導で全国に設置されています。
こちらでは不妊のみならず、保健師等による婦人科的疾患及び更年期障害、出産についての悩み、不妊等、女性の健康に関する一般的事項に関する相談が出来ますので、まずはこういった所で相談してみては如何でしょうか?