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妊娠中の貧血の原因は?貧血・脳貧血で頭痛やめまいなどの症状の原因まとめ

投稿日:2017年3月27日 更新日:

妊娠中は、たくさんのマイナートラブルに見舞われますよね。自分の体なのに思うように動かなかったり、原因不明の体調不良が続いたり……不安が大きい妊婦さんも多いのではないでしょうか?中でも、妊婦さんに起こりやすいマイナートラブルと言われる貧血。

 

・なんで貧血になるの?

・今まで貧血だと思ったことはないのに、妊娠したら頭痛やめまいがあり辛い

・貧血は胎児に影響を与える?

 

などの不安を持っている妊婦さんがたくさんいます。自分の体調が悪いと、一番心配してしまうのが赤ちゃんの状態ですよね。妊娠中の貧血はよくあるトラブルですが、その原因はいったい何なのでしょうか?そこで今回は、妊娠中の貧血や脳貧血の原因をまとめてみました。

 

  • 鉄分のおさらい

「貧血」というのは主に、全身に酸素を運ぶ役割をしているヘモグロビンの量が減って、酸素がいきわたらなくなることを指します。つまり、酸素が全身に届いていない状態のことですね。妊娠中は、胎児に優先的に鉄分が運ばれます。また、妊娠後期は分娩に備えて血液量が増加するのに対し、ヘモグロビンは増えないので、血液が薄まって貧血になりやすいのです。

 

  • 鉄分の推奨摂取量について

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」によれば、妊娠期に必要な鉄の推奨摂取量は、初期で+2.5mg/日、中・後期で+15mg/日、授乳中+2.5mg/日を、月経のない女性の推奨量に付加するとなっています。月経のない女性の推奨量とは、15~17歳7.0mg、18~29歳6.0mg、30~69歳6.5mgなので、18~29歳の妊娠初期の女性は8.5mg、妊娠中期以降は21.0mgが推奨量となります。わずかの差ではありますが、年齢によって推奨量が異なるので注意したいですね。

参考URL:http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf

 

  • 妊娠中の貧血は2種類

・起立性低血圧(脳貧血)

急に立ち上がった時にふらふらしたり、起き上がった拍子にめまいがしたりする症状の場合です。急に立ち上がることで、下半身に血液が集まり、上半身の血液が不足することで起きる症状です。脳の血液の流れが一時的に少なくなることでめまいやふらつきが起きます。一時的なものなので、すぐに治まる場合がありますが、症状がひどいと転倒してお腹を打ったりする場合もあります。

 

立ち上がる時や起き上がる時に、なるべくゆっくりと動くようにし、疲れやストレスを溜めないことも重要です。弾性ストッキングなどを使用して、下半身の血液を上半身に押し上げることで改善される場合も。ふくらはぎの筋肉が弱い人は、特に下半身に血液が溜まりがちなので、頻繁に起きる可能性があります。

 

・貧血(鉄欠乏性貧血)

耳鳴りやめまい、たちくらみ、動機息切れ、疲れやすい、寒さを人一倍感じる、食欲不振、顔色が悪い、頭痛、口の中の粘膜や瞼の裏が白っぽくなるなど、様々な症状が現れます。ひどい貧血の場合は、爪が反り返る「スプーン爪」と言われる症状が現れることも。

 

鉄欠乏性貧血は、字の通り血液中の鉄分が減少して起こる貧血です。改善するには、鉄剤を服用したり、鉄分の多い食事を心がけるなどの方法があります。また、鉄分だけでなく、葉酸やビタミンB12、タンパク質などもバランスよく食べることが重要です。貧血になったら、ベルトやボタンを緩めて横になりましょう。毛布などを掛けて体を温め、血液の流れを良くするといいですよ。

 

  • 胎児に与える影響は?

妊娠初期までの鉄分摂取量は、出生時体重と相関関係にあるのです。初期から中期にかけて、貧血が見られた場合、低出征体重児になるリスクが高まることが明らかになっています。つまり、妊娠初期から貧血を避けるためには、妊娠に関係なく普段から鉄分の摂取を心がけた方がいいということですね。

 

  • 鉄分の摂取に効果的なのは?

一般的に、鉄分の摂取に効果的なのはレバーなど、動物性食品だと言われています。ヘム鉄と呼ばれるものですが、ヘム鉄の鉄分吸収率は23%、一方緑黄色野菜など植物性食品に含まれる非ヘム鉄は、吸収率が5%なんです。つまり、動物性食品の方が、効率的に鉄分を吸収できるということですね。

 

植物性食品で摂取しようと思う場合は、卵や赤身肉などのタンパク質や、レモンやカボスなどのビタミンCと同時に摂取するといいですよ!タンパク質やアミノ酸、ビタミンCなどは鉄吸収を促進すると言われています。

 

  • 注意するべきことはある?

・コーヒー、紅茶は避ける

妊娠中はカフェインが原因で避けた方がいいといわれるコーヒーや紅茶などの恰好品ですが、鉄吸収においても同じことがいえます。フィチン酸、タンニン、シュウ酸などは鉄吸収を抑制するため、たくさん鉄分を摂っても効率的に体内に吸収されなくなってしまうのです。

 

・上限は1日40mg、摂りすぎにも注意

大量に摂りすぎると、肝機能障害を起こす可能性があります。どんな栄養素も、バランスよく摂ることが大事で、摂りすぎは体に良くありません。

 

  • まとめ

妊娠中の貧血には2種類あるということがわかりましたね。血液検査では特に異常なしといわれていたのに症状があるという人は、脳貧血になっている可能性があります。あまりにひどい場合は、健診の際に担当医に相談するのがいいでしょう。赤血球を作るのに必要な栄養素である葉酸や、ビタミンB12、タンパク質とともに、鉄分を摂取することが重要です。

 

よくあるマイナートラブルとして流してしまう妊婦さんも多いですが、鉄欠乏性貧血のまま出産となると、出血によって危険な状態になってしまうことも少なくありません。妊婦さんには注意してほしいマイナートラブルの1つといえます。普段の食事に鉄分を豊富に取り入れて、健康的な妊婦生活を送りたいものですね。

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