生後からしばらくはミルクや母乳・白湯などを飲んでいた赤ちゃんですが、
離乳食へ次の段階へ進む際に一緒に始まるのが「果汁」でしょう。
でも、いざ果汁を飲ませようと思った時に
・果汁は薄めるべきなのか?
・果汁を上げる時に注意する事は?
・果汁をあげてもあかちゃんが無表情なのはなぜ?
など、疑問や不安を感じた事はないでしょうか?
確かに、間違った知識で果汁を飲ませてしまう事で
・胃腸に負担を掛けて下痢を起こす
・果汁アレルギーを引き起こしてしまう
など赤ちゃんにとって大きな負担を掛けてしまう事になりかねません。
正しい知識をきちんと知っておく事で、
・赤ちゃんの成長に合わせて果汁を飲ませる事が出来る
・果汁アレルギーのリスクを減らせる
・周りからのアドバイスにもきちんと対応出来る など
赤ちゃんに無理な負担を掛ける事もありませんし、育児に余裕も出来るでしょう。
今回は赤ちゃんに果汁をあげる際に注意すべき事をご紹介しようと思います!
果汁をあげる際に注意すべき事
果汁よりも離乳食を優先する事が大事
前提として果汁は栄養価が偏ってしまうので、
離乳食やミルクの代わりにはなりません。
それに離乳食前の水分補給や栄養面での必要性もありません。
ミルクや母乳・白湯から離乳食へ進む事の方が大事な事だと覚えておきましょう。
味慣らしのための果汁は必要ない
母乳は栄養面や味覚形成の面でも優れたものです。
母乳の味は一度の授乳でもバライティ豊かに変化します。
ですので、味慣らしのために果汁を与えようと考えているのであれば、その必要もありません。
ビタミンCの取り過ぎに注意する
11ヶ月までは一日のビタミンC摂取量が40mgを超えないようにする事
国立健康・栄養研究所が2015年に定めた目安量です。
ビタミンCは野菜や肉にも含まれているので果汁だけの目安ではないことに注意しましょう。
ちなみに、ビタミンCの過剰摂取は下痢・吐き気・腹痛の原因となる可能性も。
酸味が強い果物には注意
キウイフルーツは離乳食後期を目安に。
グレープフルーツは離乳食完了期を目安に。
酸味が強いので嫌がる場合は無理に与えなくて大丈夫ですし、
離乳食期に進んで与える必要はありません。
更にキウイはアレルギーの可能性もあるので、後期と言えども少量ずつ様子を見ながら慎重に!
刺激が強い果物は与えない
パイナップル、マンゴー、パパイヤは与えない
タンパク質分解酵素が多く含まれ刺激が強く離乳食には適していません。
果汁を薄める目安と適度な温度
与えるなら果汁を湯冷ましで2~3倍に薄めて少量に
ストレートの果汁は刺激が強く胃腸への負担が大きくなります。
また味も濃いので薄味の離乳食を食べなくなる可能性もあります。
常温もしくは人肌の温度で
ミルクも離乳食も基本的には人肌の温度ですから、
果汁も同じように人肌の温度か常温にするのが適切です。
冷たく冷やすと胃腸に負担がかかるだけでなく下痢をすることもありますので注意して下さいね。
果汁を与える時にやっては駄目な事
欲しがるからとたくさん果汁を飲ませる
果汁をたくさん飲むとその分母乳やミルクが飲めなくなります。
基本的に赤ちゃんの栄養は母乳もしくはミルクから得ますので、不足してしまうと栄養障害が起こる原因となります。
また、飲ませすぎは太ったり、虫歯になったりする原因となりますので必要以上に与えてはいけません。
初期に果物を直接かじらせる
ストレートの果汁は赤ちゃんには刺激が強すぎます。
また早期に固形物を食べたことのある赤ちゃんは、アレルギーのリスクが高まるといわれています。
果汁は必ず薄めるか温めて与えるようにしてください。
離乳食が始まる前に果汁を飲ませる
6ヶ月未満の乳児は消化機能が未熟なので、果汁によりお腹をこわしやすくなります。
また、離乳食に体が慣れるよりも前に果汁を与えると果物アレルギーを引き起こす可能性もあります。
まとめ
1960年代の粉ミルクにはビタミンの配合が出来ませんでした。
従って早くから果汁を与える指導があり、「離乳食前」の果汁は当たり前の時代がありました。
しかし、アメリカ小児科学会の勧告やWHOの母乳育児推奨を受けた日本は、2008年から「果汁は栄養不足につながるので必要ない」とする新指針がまとめられています。
そもそも6ヶ月未満の乳児は消化機能が不十分なので、果汁をあげることで胃腸に負担が掛ります。
場合によっては下痢やアレルギーを引き起こす原因となりますし、虫歯の原因になったりすることも懸念されます。
周りのアドバイスもあって早めにあげた方がいいのかなと考えてしまいがちですが、果汁を与えるのは離乳食が始まってからの方が良いでしょう。