子作りを始める前から自分達が不妊かもしれない?と疑うカップルは、そう多くはいらっしゃらないと思います。
不妊を疑うきっかけがあって初めて不安と共に疑いを持ち始めると思います。
そのきっかけですが、
・長期間挑んでも妊娠に至らない
・他の検査で指摘される
のどちらからが殆どでしょう。
妊娠までには多くのステップをクリアして初めて成立しますが、どのような過程を経ているのか理解していますか?
男性は女性よりも明らかに疎いでしょう。
また、女性でもあやふやな知識のままという方もいらっしゃるでしょう。
不妊を疑いはじめると、何が原因でどう治療したら良いのか?という点にばかり意識が行ってしまいます。
妊娠の仕組みを理解しないまま治療を始めた場合、担当医師の話す内容が理解出来ない事があるかもしれません。
もちろん、医師は分かり易く説明はしてくれるでしょうが、自分達が望んで子供を設けようとしているわけですよね?
妊娠の仕組みを知る事で、
・妊娠し易い日はいつなのか?
・基礎体温を付けるのはなぜか?
などの理由を理解出来ると思いますので、ここでは妊娠の仕組みをもう1度おさらいしておきましょう。
妊娠のしくみを知っておこう
女性の体は初潮を迎えてから排卵と月経を毎月くりかえし、妊娠に備えています。
排卵の3カ月ほど前に卵巣内に眠る原始卵胞から約1000個の卵子が選ばれ、成熟を開始します。
月経がスタートする頃には約20個の卵子が勝ち残り、それらがさらに競争して最終的にはひとつだけが排卵されます。
排卵された卵子は卵管采にキャッチされ、卵管内で精子と出会います。
精子が卵子の中に入り受精すると、細胞分裂しながら子宮へと移動し、子宮内膜に着床、絨毛の根を張り胎盤を作ります。
もし精子と出会わなければ、卵子は変性し妊娠に向けて厚くなっていた子宮内膜がはがれ、月経としてリセットされます。
このように、さまざまな臓器やホルモンが総合的に良好に働いてはじめて妊娠が成立します。
ここで妊娠のしくみをもう少し詳しく知り、女性の体を理解しましょう。
排卵の仕組み ①卵胞の発育
月経がはじまる頃には約20個の卵胞がありますが、そのうちひとつだけが主席卵胞となり、月経周期12日頃には直径18mm程度になります。
低温気が長い場合は卵胞がゆっくり成熟しているということで、排卵までの期間には個人差があります。
排卵の仕組み ②排卵
排卵の指令を送る黄体化ホルモンが大量に分泌されると(LHサージ)、約36~44時間後に卵胞の壁が破れます。
卵子は卵胞液とともに腹腔内に飛び出し排卵。
このとき、卵子の直径は約0.1mm。
肉眼では白い点としてようやく見える大きさです。
排卵の仕組み ③卵管采から卵管へ
卵巣から出た卵子は、卵管の先にある広がった入口の卵管采から卵管の中に取り込まれます。
一方、排卵したあとの卵胞には血液が流れ込み、脂肪の塊のような黄体になります。
ここから黄体ホルモンが分泌され、子宮内膜を着床しやすい状態に整えます。
受精の仕組み ①精子は膣から子宮、卵管へ
射精された精子は子宮頸管という2~3cmほどのトンネルを通って子宮腔に入っていきます。
排卵の頃には子宮頸管に頸管粘液という粘液が分泌され、精子が通りやすくなります。
こうして、精子は子宮腔を通過し卵管へと進入していきます。
このタイミングを逃すと精子は子宮頸管を通り抜けるのが難しくなりますので、タイミングがとても重要になります。
受精の仕組み ②卵管膨大部での出会い
卵管采から取り込まれた卵子は、卵管膨大部で精子と出会います。
1億の精子が膣内に射精されても、卵管膨大部にまで到達するのは数十~数百といわれています。
不妊の原因として男性因子についてご紹介しましたが、膨大な量の精子が射精されても到達出来るのは僅かです。
精子の量が少ない場合、到達出来る精子の量もより少なくなってしまいますので受精に至る事が難しくなります。
受精の仕組み ③受精
卵子に到着した精子は卵子の周りに群がります。
精子は頭から酵素を出しながら尻尾をふり、卵子の外側を覆う顆粒膜細胞を通り抜けます。
数十個の精子が透明帯を破ろうと一丸となって突き進みます。
そして、そのうちの1個の精子が透明帯の中に入ると、その瞬間バリアが張られ他の精子は入れなくなります。
この精子が卵細胞内に入ります。これが受精です。
着床の仕組み ①受精卵は卵管を通って子宮へ
受精した卵は2細胞、4細胞、8細胞、桑実灰(そうじつはい)へと卵割を繰り返しながら、卵管から子宮へと運ばれます。
約4日かけて、受精卵は卵管から子宮に到達します。
着床の仕組み ②子宮内膜に着床
子宮に到達した受精卵は胚盤胞(はいばんほう)になり、排卵から5~7日たった頃、子宮内膜に絨毛の根を張ります。
着床の仕組み ③受精3週間後に超音波で胎嚢(たいのう)確認
着床した受精卵は、子宮内膜に欠陥から酸素や栄養を吸い上げ、卵割をくりかえして成長します。
受精してから3週間後には胎嚢(たいのう)が超音波で見える大きさになり、5週間後には胎児の身長が1cmくらいになります。
このようなステップを経て初めて妊娠が成立します。
精子が卵子に辿り着いたら受精して妊娠すると表現するととてもシンプルですが、女性の体の中では受精に向けて様々な活動が行われています。
結局妊娠しやすい時期はいつなのか?という点については、次の記事でご紹介させて頂く事にします。