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喫煙が赤ちゃんに与える影響は大きかった!妊娠中の喫煙のリスクについて

投稿日:2017年5月11日 更新日:

近年、分煙化が進んでいる日本では、愛煙家の女性は減りつつあります。しかし、たばこを吸っている女性が妊娠するのは、良くある話ですよね。

 

・妊娠がわかる前に喫煙していたけど、胎児への影響はある?

・妊娠していることがわかってもたばこを吸いたいと思ってしまう

・喫煙はきっと赤ちゃんにもいいことがないと分かっているのに、やめられない

 

など、愛煙家の妊婦さんはその不安も大きいはず。禁煙に失敗した経験がある人も男女問わず多いほど、たばこは非常に依存性の強いものです。やめたいのにやめられないと悩んでいる女性のために、妊娠中の喫煙のリスクについてまとめてみました。

 

  • たばこには4000種類以上の化学物質が含まれている

たばこの主な有害物質の成分として、ニコチン(殺虫剤などの成分)、ヒ素(毒薬の1つ)、シアン化水素(殺虫剤、毒ガスの成分)、カドミウム(イタイイタイ病の原因物質)、ベンゼン(ガソリンの成分)、ホルムアルデヒド(防腐剤の1つ)、トルエン(シンナーの成分)、発がん性物質としてはタール、ベンゾビレン、カドミウム、ニッケル、ベンゼンなどが含まれています。

 

200種類以上の有害物質が含まれ、発がん性物質は50種類以上にのぼるとも言われています。これだけたくさんの有害物質が含まれていると、体に悪いことは明確ですよね。妊娠していなくても、健康な人を病気にしてしまうことがあるたばこですから、免疫力の低下する妊娠中に喫煙するという行為は、子どものためだけではなく、ママの体にも良いはずがありません。

 

  • 早期に禁煙した場合はほぼ正常な体重で出生でき、早産率も減少する

妊娠する以前に喫煙者であっても、妊娠に気付いた時点で禁煙をすればほとんど影響はありません。妊娠に気付くまで吸ってしまっていた……という女性はたくさんいますが、気付いた時点で禁煙しましょう。

 

  • ニコチンパッチやニコチンガムは妊娠中・授乳中は使用禁止になっている

最近は禁煙外来などが主流になってきて、「いざとなれば禁煙外来に行けばいい」と思っている女性も少なくないかもしれませんね。しかし、積極的な禁煙治療は、妊娠期間中に受けることはできません。妊娠がわかってから禁煙する場合は、強い意志を持って自力で行う以外に方法はないのです。喫煙の期間が長期間の場合など、自分の意志に自信がない場合は、妊娠を望んだ時点で禁煙をしましょう。

 

  • 喫煙による母体への影響

・血流が悪くなる

たばこを吸うと、一酸化炭素・ニコチンなどの有害物質が体内に吸収されます。一酸化炭素は体内の酸素と結合するため、全身に十分な酸素が運ばれない可能性があるのです。ニコチンは血管収縮作用がありますので、この2つが胎盤の血液循環を悪くしてしまいます。

 

・子宮がんのリスクが1.6倍になる

喫煙者は非喫煙者に比べ子宮がんでの死亡確率が上がります。妊娠期間中は免疫機能が低下するために、影響を受けやすくなるのです。赤ちゃんへの影響だけでなく、母体にも多大な影響を及ぼすということですね。

 

・シミ、そばかすができやすくなる

血管が収縮し、血行が悪くなり、メラニン色素の代謝も悪くなります。非妊娠時なら何ともない紫外線ダメージも、シミやそばかすとなって肌に現れやすいのです。

 

・喫煙は口臭や歯槽膿漏を引き起こしやすくなる

妊娠中は口腔内の環境が変化しやすいので、虫歯や歯周病になる可能性も上がります。喫煙すると、余計に口腔環境が悪化する可能性も……。口臭や歯槽膿漏を引き起こす原因となりますので、注意しましょう。

 

・妊娠合併症を引き起こすリスクが上がる

妊娠中の喫煙は、非喫煙者に比べて妊娠合併症を引き起こすリスクが上がります。妊娠初期には絨毛膜用膜炎が1.65倍、常位胎盤早期剥離が1.37倍、前置胎盤が2倍など、妊娠合併症のリスクが上がるのです。前置胎盤は出産時に自然分娩ができず帝王切開になる場合があったり、常位胎盤早期剥離は発見が遅れると胎児も母体も命の危険が及ぶ場合もあります。

 

・間接喫煙(受動喫煙)も1日1~5本程度の喫煙と同じ効果がある

妊婦が喫煙自体をしていなくても、受動喫煙で喫煙と同じリスクを負う場合があります。副流煙の多い場所へは近づかないようにし、そういった場所で勤務している場合は、部署の変更なども視野に入れましょう。

 

  • 喫煙による赤ちゃんへの影響

・血流が悪くなり、流産や早産の確率が上がる

子宮の血液循環も影響を受けるので、胎盤機能が低下すれば流産・早産の原因となります。1日20本以上の喫煙では、流産の確率が2倍以上になるそうです。流産はその原因のほとんどが「胎児の染色体異常」によるもので、予防方法はありません。しかし、妊娠12週以降の流産は母体が原因の場合も多いようです。

 

・早産の確率は喫煙本数と明らかな相関がある

早産とは妊娠35週までに赤ちゃんが生まれてしまうことです。非喫煙者で6%、1日5本以上喫煙で7%、6~10本喫煙で13%、21~30本喫煙で25%、31本以上喫煙で33%というデータがあります。22週以降に生まれた赤ちゃんは早産扱いとなりますが、生まれる時期が早すぎると、出産自体のリスクも高く、赤ちゃんの命も危険な状態になることがあります。

 

・喫煙により影響を受けるとさらに異常が多くある

常位胎盤早期剥離、胎児仮死、胎児死亡、子宮の摘出、母体死亡など妊娠全体で発生率1~2%と低い確率の異常も、非喫煙者に比べると高くなることがわかっています。胎盤というのは、通常胎児が子宮外に出てから、子宮からはがれるものです。胎児がまだ子宮内にいるのに胎盤がはがれてしまうと、胎児に酸素が届かなくなってしまいます。妊娠中の重い異常として近年有名になってきましたが、喫煙が原因になるということはまだまだ知られていません。また、早期破水や前期破水、先天異常・胎盤の位置異常、子宮感染症なども影響を受けるといわれています。

 

・新生児が低体重になる

赤ちゃんが子宮内で十分に発育できない場合、赤ちゃんの体重が基準まで増えずに生まれてしまうことがあります。2500g未満で生まれた赤ちゃんを低出生体重児、2000g未満で生まれた赤ちゃんを超低出生体重児といいますが、赤ちゃんの低体重化は、妊娠中の喫煙本数に比例するというデータもあるほどです。さらに生まれた直後の新生児の、低体温症や低血糖などの発生率が増加するとも言われています。

 

・吸っていた期間やたばこの本数によって身長や学力が低下する

喫煙は十分な酸素が行き渡らない状態になるので、赤ちゃんも低酸素状態が続き様々な器官や脳の発達、発育が妨げられてしまうのです。

 

・乳幼児突然死症候群(SIDS)の原因となる

乳幼児突然死症候群とは、赤ちゃんが眠っている間に突然死してしまう疾患です。約6000~7000人に1人発症するといわれている病気で、たばこがその原因として大きな一因であることは有名ですね。たばこのほかにも、うつぶせ寝、母乳栄養でないなどの理由は、SIDSの危険を大きくします。

 

  • やってはいけないことは?

・ストレスを溜めるのはよくないと今まで通りに喫煙する

「妊娠中はストレスなく過ごした方がいい」といわれるので、「ストレス溜めるよりタバコのリスクの方が少ない」なんて言い訳をする人もいます。しかし、その溜まらなかったストレスは、赤ちゃんを危険にさらしているかもしれません。

 

・喫煙は我慢しているが、喫煙者の周りで気分を味わう

たばこの副流煙や呼出煙には、喫煙するよりも多くの有害物質が含まれています。自分が吸っていなくても害を受けているのと同じなんですね。たばこ以外のリフレッシュ方法を見つけましょう。

 

・我慢するのが辛いと医師に相談したら1日数本ならと言われて喫煙し続ける

たばこを吸うことで赤ちゃんへ悪い影響があるのは確かなことです。生まれてくる赤ちゃんに何かあったらきっと我慢できなかった自分を責めて後悔してしまうのでは?医師がいいといっても、その1日数本で赤ちゃんに危険が及ばないという保証はありません。そして何かあったとき、それを医師のせいにしても赤ちゃんは戻ってこないのです。赤ちゃんは環境を選ぶことはできません。おなかの赤ちゃんを守ることだけを考えてください。

 

  • まとめ

喫煙者にとってたばこを我慢するということはとてもつらいことです。妊娠初期はつわりでタバコ自体受け付けないという人は多いですが、つわりが終わるとまた吸いたくなるという人も同じようにたくさんいます。しかし、たばこは害になるということは明確。自分の体だけでなく、赤ちゃんの体にも危険が及ぶということを肝に銘じて、母になるワンステップとして捉えましょう。

 

たばこをやめるには、まず喫煙と結びついている生活スタイルを変えることが重要です。たばこやライターなどは捨てて、自分の目に入らないようにしましょう。朝のコーヒーとともに一服する習慣があるなら、朝のコーヒーをやめてココアにするなど、工夫してみてください。喫煙の代わりに気分転換になることを見つけて乗り切ってくださいね!妊娠を機にたばこをやめることができたら、健康や美肌も手に入れることができるかもしれませんよ!

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