子どもの偏食に悩んでいるママはたくさんいますよね。あまりに好き嫌いが多いと、栄養バランスが偏ってしまうのでは?と心配になってしまいます。なんでも食べられる子の方が少ない時期もありますが、親としては好き嫌いなく食べてほしいと思いますよね。
・子どもが同じものしか食べないので栄養が偏るのではないかと心配
・子どもの好き嫌いが多く小学校の給食で困らないか心配
・嫌いなものを口にすると吐いてしまうので、どうしたらいいかわからない
など、ママたちの悩みは様々です。そこで今回は、子どもの栄養バランスが偏らないようにする方法をまとめてみました。
- 子どもの味覚細胞は、大人の3倍もある
苦みや渋みのある野菜は、子どもの嫌いな定番ですが、これは子どもの味覚細胞に秘密があったのです。大人の3倍も苦みや渋みを感じやすいとすると、食べられないものが多いのも納得できますね。苦いものは毒である、酸っぱいものは腐っているという本能が働き、回避しようとしてしまうのです。人間の本能ですから、仕方ないですよね。成長とともにこの味覚細胞が減ってくるので、それらを感じる感覚も鈍化し食べられるものも増えます。
- 人間にとっておいしいものとは「味が濃い」「甘い」「油っぽい」もの
ジャンクフードに代表されるように、美味しいと感じられるものはこの3つの条件がそろっている食べものなのです。子どもの味覚はあっという間にジャンクフードの虜になってしまうというわけですね。なるべく手作りを心がけることで、ジャンクフードの味に慣れさせないことが重要です。
- 好き嫌いは食べたとき快感だったか不快だったかで決まる
新しい食べ物を好きになるか嫌いになるかが決まるのは、味や匂いだけではありません。食べたときの感覚や、食べ終えた後の印象なども関わってくるのです。あるものを食べたことでおなかが痛くなった経験があると、それがトラウマになって食べられなくなってしまうのはこのためなんですね。
- 必要な栄養を摂る
人間に必要な栄養とは何か、きちんと知っていますか?
魚、肉、卵、大豆などのタンパク質は、骨や筋肉を作り、エネルギー源ともなります。牛乳、乳製品、海藻、小魚などに含まれるカルシウムは、骨や歯を作り丈夫にするので、子どもには必要不可欠です。緑黄色野菜(ビタミンAなど)は、皮膚や粘膜を保護し、皮膚炎や乾燥に強い皮膚にしてくれます。単色野菜や果物(ビタミンCなど)は、体の各機能を調節しますので、おやつに果物などを採り入れてみましょう。米、パン、イモ類などの炭水化物は、ブドウ糖となり分泌液、粘液、遺伝情報を担う核酸(DNA・RNA)などの材料になります。脳のエネルギー源になる重要な栄養素なので、積極的に食べましょう。油脂、脂肪の多い食品は、脂肪性エネルギー源となり、活発な活動に欠かせません。
どの栄養素も摂りすぎも摂らなさすぎもよくありません。適切な量をバランスよく摂ることが重要ですが、毎日の食事をバランス良くと考えると難しいですよね。1週間や1ヶ月など、長い目で見てバランスよく摂取できるように心がけましょう。
- 味覚を司るミネラルは亜鉛
ナッツ類や豆類、海藻類に多く含まれる亜鉛は、味覚を司る細胞や胃袋の細胞を成長させる役割があります。亜鉛が不足すると味覚異常を引き起こす要因になりますので、きちんと摂取しましょう。1~2歳は3mg、3~5歳は4mg、6~7歳は5mg、8~9歳は6mg、10~11歳は7mg、12~14歳は9mg、15歳~は10mgが推奨摂取量とされています。
- 離乳食期の対策
・大人や兄弟、友達が美味しそうに食べているところを見せる
他人が美味しそうに食べていると、興味を持って食べてくれることも。一緒に楽しく食事をすることが大切です。
・一度は食べなかった食材でも、好きなものに混ぜて食べさせる
人間は初めてのものに対して警戒する習性があります。何度も食卓に並んでいるものだったら、警戒も薄れて食べるようになる子もいますよ!食わず嫌いの場合は、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
・嫌いなものでも好きなものに混ぜて食べさせて!
好きなものと一緒なら食べてくれる子も少なくないです。みそ汁やカレーに入れると食べる子も多いですね。
・食べ物と体験は結びつきやすいので、楽しい雰囲気で食事して
あまり好きではないものでも、家族で「おいしいね」と言いながら食べることによって抵抗がなくなる場合もあります。逆に、怒られながら食事をすると、その体験が好き嫌いを増長させることも。
- 幼児期の対策
・ばっかり食べでも大丈夫
ある程度好き嫌いがあるのは、子どもにとって自然なことです。主食のご飯をちゃんと食べているのであれば、好きな食材ばかり食べていても大丈夫。気にしすぎることはありません。どうしても食べられないものがある場合は、それに代わる食品を見つけて食べさせてみましょう。栄養は1週間単位で考えてみてくださいね!
・生活を見直す
例えば外遊びで体を動かすと、おなかが空きますよね。おなかが空いていると、嫌いなものでも食べられることがあります。また、普段の遊びでもテーブルを使って遊ぶと、食事の時間も集中力が持続するトレーニングになるでしょう。粘土遊びやブロック遊び、お絵かきなどがおすすめです。
・砂糖や脂っぽいものは控える
お菓子に多いですが、甘いものや脂っこいものはいつでも食べたくなる味です。無理に覚えさせなくても、そのうち自然に食べる機会があります。
・苦手な食材を食べられたら大げさに褒めて!
褒められると、それはプラスの体験になります。少しでも食べられたら褒めて、次につなげてみてください。
・嫌いなものは楽しく食べられる工夫を
バイキング形式にしたり、楽しく食事ができる工夫をしてみてください。楽しい食事ほど、美味しい食事はありません。
・親は毎回、嫌いな食材を美味しく食べる姿を見せる
周囲の人が美味しく食べていれば、興味を示して食べてくれるようになることもあります。嫌いだからといって食卓に出さないのではなく、親は毎回食べる姿を見せてあげましょう。
・嫌いな食材は細かく刻んで!
嫌いな味がいつまでも口に残らないように工夫すると、食べられることもあります。
・幼稚園のお弁当にも入れてみる
お友達の影響で食べるようになることも。また、「お弁当を完食した」という達成感から、お弁当に入れれば食べてくれるという子もいます。食べられた日は、たくさん褒めてあげましょう。保育園の給食も、食べることができたか先生に確認して、食べられたらたくさん褒めてあげるといいですね!
・完食できるように最初に盛る量は少なめに
子どもにとって完食することはとてもうれしいことです。完食できたら褒めるようにし、完食できるように最初に盛る量は少なめにしましょう。もっと食べたいという欲求を駆り立てることができますよ!
・間食を見直す
お菓子を市販のスナック菓子ではなく、野菜を使ったものに変えてみて!ホットケーキやクッキーなどに、野菜をすりおろして入れるのもおすすめです。甘い味付けのものだと、子どもも食べやすいですよ!ネットでレシピを検索するのもおすすめです。
・味を変えてみる
嫌いな食材でも、味付けを変えたら食べられることもあります。カレーに入っているニンジンだけは食べられるなんて子も少なくないですよ。いろんな味付けに挑戦してみてくださいね!
・子どもと一緒に料理してみる
ご飯への興味を促します。自分で作ったものはより美味しく感じる年頃ですから、興味があるならやらせてみるのもいいですね。蒸しパンなどの簡単なおやつは、一緒に作るのもおすすめのメニューです。
・自家栽培してみる
ミニトマト、なす、ピーマンなどの野菜は、プランターでも育てやすく、庭のないおうちでも育てることができます。育てることで愛着がわきますので、野菜への興味、好奇心を育てる第一歩になるかもしれませんね。
- 学童期の対策
・チャレンジ精神をくすぐる
学童期は友達の影響を受けやすい時期です。友達が食べていたらチャレンジすることも。
・嫌いなものでも食卓に並べる
「少しでいいから食べてごらん」と声かけをし、少しでも食べられたら褒めるようにしてみて!
・魚や肉などはニオイを消す調理法や味付けで
魚・肉には独特なニオイがあります。ニオイに敏感な子は、これが原因で食べられないということも。カレーやガーリックなどの香辛料を使ってニオイをごまかす調理法に挑戦してみましょう。
・仲の良い友達とホームパーティーを開く
ピクニックやホームパーティーなど、普段と違う場面での食事は、子どももテンションが上がっています。普段食べないものも手を付ける可能性も大!お弁当を作って家族でピクニックに出かけるだけでも楽しいですよ!
- 小学校高学年から
・嫌いな食べ物の栄養と効果を教える
学校でも食育や調理実習などがある年齢になってきます。きちんと「身体に良い食べ物なんだよ」と教えることで、嫌いでも頑張って食べるようになるかもしれません。
・鼻をつまんで食べる
子どもは大人よりも嗅覚が敏感です。まずは、鼻をつまんで、嫌いな食材を口にすることを頑張ってみましょう。慣れれば美味しく感じるかもしれません。
・ストレスのせいではありませんか?
食事のマナーや姿勢など、細かく注意しすぎていませんか?ストレスがかかると、食べ物を美味しく感じなくなってしまうこともあるようです。食事のマナーは厳しく躾けたいと思うことは、とてもいいことかもしれませんが、言い過ぎは禁物。「楽しく食事できる雰囲気」を作れているかどうか、もう一度確かめてみてください。
- やってはいけないことは?
・嫌いなものを無理に食べさせる
栄養バランスが心配で、無理に食べさせてしまう親は少なくありません。子どもを思ってのことですが、これは逆効果になる場合も。無理に食べさせられると、子どもも嫌いな食材に敏感になって、偏食が悪化してしまうことがあります。
・食べないからといって食卓に並べない
子どもは何がきっかけで食べるようになるかわからないので、最初から食卓に並べないのはNG!興味が出たらいつでも食べられるように、食卓には並べてくださいね。
・子どもの偏食にイライラする
イライラする親の気持ちもわかりますが、食事は楽しいというイメージを形成している途中の子どもにとって、親がイライラするのは良いことではありません。いつかは食べられるようになると、おおらかな心で見守ってあげてください。
- まとめ
バランスよく摂りたい栄養素は、タンパク質・カルシウム・ビタミンA、C・炭水化物・脂質です。1食で考えると親も子どもも嫌になってしまうので、1週間くらいの長期で見て、バランスよく食べられるように工夫してみてくださいね!
子どもが特定の食材を食べられないとしても、その食材で摂れる栄養素が別の食材から摂取出来ているのであれば問題はありません。おおらかな心で見守りながら、少しずつ食べられる食材を増やしていく努力をしてみるといいかもしれませんね。食事のマナーはほどほどに、「食事は楽しいもの」というイメージを大事にしてください。